メーカーからさまざまな塗料が次々と発売されています。正直、ペンキ屋の私ですら試行錯誤の繰り返しです。
このページでは、今までの経験や基本をもとに、塗料の種類や性能、その他の皆様のお役にたちそうな事柄を中心にまとめました。
悪徳業者を見抜く上でも参考になるかと思います。

屋根塗料

(1)耐候性に優れている塗料
(2)遮熱性に優れている塗料(室内温度が数度違い光熱費にも影響があります)
(3)塗膜の耐久性が外壁よりもできれば優れている塗料
外壁と比べ屋根の方が間違いなく厳しい環境下にさらされています。
塗膜自体も外壁の倍近いスピードで劣化していきます。
その点から同じ周期で塗り替えるなら、塗膜の耐久性が外壁よりも優れている塗料を選択されたほうが、コスト面でも間違いなくお得だと考えます。

外壁塗料

屋根と内容的には同様ですが、外壁の種類によっては下記の選択が必要となります。
(1)ひび割れがひどい
下地の収縮がひどい場合によく見られます。下地の動きをとめることは不可能ですので、伸び縮みする塗料を選択します。⇒弾性塗料
(2)藻、カビがひどい
とくに日当たりの悪い地面に近い部分に多く見られます。⇒防藻・防カビ塗料
(3)汚れがひどい
⇒低汚染塗料、光触媒塗料

破風・鼻隠し(木製の場合)

下から見ると屋根をぐるっと巻いている部分のことです。とにかく一番傷みやすいところです。
最もおススメはコスト的に多少アップしますが、トタンを巻いてしまうことです。
出来る限りやらかく、密着の良い塗料を小まめに塗ることです。⇒調合塗料 etc.

工程の分類

下地処理高圧洗浄、コーキングク、ラック処理、模様合せ、ケレン薬品処理、剥離処理清掃
(これらを材質、状況に応じて選択します)
下塗りシーラー、プライマー、フィーラー、錆止め
中塗り各種防水材、各種主材
上塗り多種類の成分の樹脂が存在する

すべての塗料がこの工程ではありません。あくまでも目安です。

下塗り塗料の選定

錆止め多数の種類がありますが、塗り替えの場合旧塗膜が残っていることが多いため、
1液エポキシ、2液エポキシがお勧めです。
薄塗り型シーラー
プライマー
(1)吸い込みをなくす、(2)素地を固める、(3)密着を良くする、が目的
厚塗り型フィーラー
防水材系
(1)密着を良くする、(2)細かいクラックをふさぐ、
(3)粘度が高いので機能性を持たせる、(4)目止め、が目的
その他その他機能を持たせる目的のものが多い

上塗り塗料の選定

●樹脂の種類とランク

アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素 

右にいくほど性能がアップ。最近ではシリコン、ウレタンが主流になっています。フッ素は抜群の性能ですが、その他の塗装部位の耐用年数を考えると、一般住宅ではあまり意味がないかと思います。とても良いのですが…値段もダントツに高い。

●その他の違い

(1)硬化剤・・・なしの場合を1液タイプ<ありの場合を2液タイプ
これは文句なし2液タイプがお勧めです。ただし物によっては1液タイプでも高性能な塗料もあります。

(2)ターペン可溶型とNAD型

・ターペン可溶型・・・樹脂の粒子が小さくしてあり沈殿しにくく施工性が高い(均一に混ざりやすい)
・NAD型・・・樹脂の粒子が大きく沈殿しやすい
※上記の2タイプはそれぞれに反対の特徴があります。施工性は多少NAD型のほうが劣りますが、樹脂の粒子が大きい分性能は上です。
NAD型を使用する際、気を付けることは、とにかくよく混ぜることです(不十分だと色ムラになる場合もあります)。

(3)セラミック配合・・・これは樹脂ではなく塗料の中にセラミック成分(酸化ケイ素)が含まれているという意味です。
効果としては汚れが落ち易いといったメリットがあります。

【塗料の名称表示例】
「ターペン可溶2液型ウレタン樹脂塗料」、「2液型シリコンセラミック配合塗料」というように、上記の性能表示が合体して表示されます。

溶剤の違い

水性<弱溶剤<強溶剤

●水性・・・名前の通り水溶性の塗料です。水で塗料を伸ばせるので簡単なので、DIY用塗料としても多く普及しています。匂いもマイルドです。
●弱溶剤・・塗料用シンナーのことです。職人が一番数多く使用しています。比較的匂いは少ないほうです。
●強溶剤・・ラッカーシンナー、エポキシシンナー、ウレタンシンナーなど、有害なトルエン等が入っており、揮発性は一番高い溶剤ですが、高性能な塗料に多く使われます。

上記の内容をふまえ、適材適所で、
(1)溶剤の種類
(2)樹脂の種類
(3)塗膜の硬さ(弾性?)
(4)硬化剤の有無
(5)添加物(配合)
(6)樹脂の大きさ
を総合的に判断するのがベストと考えます。これだけの知識があれば、塗り替えの際、塗装屋さんと納得いくまで打合せが出来ると思います。

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